内閣府男女共同参画局が5年に1度ジェンダー平等(男女共同参画)に関する計画を作っているのですが、「国の政策に若い人の声が入ってないのではないか」と思い、2020年に「#男女共同参画ってなんですか」というプロジェクトを行いました。
その時に地方の若者たちから、「ジェンダーについて学べる場所がない」「SNS上だとジェンダー課題に関心がある人とつながることはできるけど、心の距離が遠かったり、安心安全に話せない」という声が上がったことがきっかけで、特にU30の若者たちが、ジェンダーを学び、学ぶだけでなくジェンダーの平等の実現に向けてアクションしていく場が必要と考えて、2022年にジェンカレを立ち上げました。
安心安全に語り合える場所から始まる、ジェンダー課題解決への一歩-一般社団法人GENCOURAGE
一般社団法人GENCOURAGE(ジェンカレッジ)
一般社団GENCOURAGE代表理事櫻井彩乃
一般社団法GENCOURAGE理事引本彩華
一般社団法人GENCOURAGE理事新井セラ
ジェンダー平等の実現を目指し、若者の声を社会に届ける活動を展開する一般社団法人GENCOURAGE。30歳未満の若者がジェンダーについて学び、アクションを起こすためのプログラムを提供しています。代表理事の櫻井彩乃さん、理事の引本彩華さん・新井セラさんに、設立の経緯や活動内容、今後の展望についての話を聞きました。
ジェンカレ:https://gencollege.org/
若者の声を届ける使命感
ジェンカレの活動の目的や始まった経緯などについて教えていただけますか?
- 櫻井さん
- 新井さん
私は第一期がはじまる告知開始の時にジェンカレを知り、なんて素晴らしい企画だと非常に感動して、「絶対に参加した方がいいお勧めの講座!」ということを勝手に社内やSNSで発信していました。そんな中でご縁があり、一期目の運営からプロボノでジョインをさせていただきました。
私自身のジェンダー平等への思いとしては、大学時代にジェンダーについては学んでおり、ある意味「当たり前のこと」と考えてしまっていたのですが、子どもが生まれたことをきっかけに、自分の人生は非常に難易度が上がったのに対して、夫の人生は少ししか難易度が上がっていないように見え、これがジェンダーギャップなのだなということを痛感して、こういった苦しさのない日本を次世代に渡したいという思いで、ジェンカレの活動をさせていただいています。
学びからアクションへ
活動内容について教えていただけますか?
- 櫻井さん
若い世代は比較的にジェンダーやサステナビリティに関しての課題意識が、少し上の世代の人に比べると持っている傾向にあります。
しかし、学校以外でジェンダー課題について体系的に学べる場所が少なく、特に、女性以外や非専門家が参加しづらいのが現状です。何か課題を解決したいと思っても、学校などで課題解決の方法を万でいないため、どう取り組めばいいか分からなかったり、一緒に取り組む仲間を見つけるのが難しいという声があります。また、学生時代は「社会貢献」などに意欲高く取り組んでいたとしても、就職後は仕事で忙しくなり、続けられなくなることが多いという話もよく聞きます。継続が難しいという声もよく耳にします。そういった状況を解決するために、ジェンカレというサードプレイスであり、学びの場を提供することで、多くの人がジェンダー課題の解決に取り組めるのではないかと考え、ジェンカレを始めました。
課題解決への道筋
具体的な活動内容と今後の展望について教えていただけますか?
- 櫻井さん
活動の内容としては、5ヶ月間のプログラムを主に15~29歳の若者に提供しています。このプログラムでは、ジェンダーに関する知識や課題解決の方法を学びつつ、実際に課題解決に向けたアクションプラン(My Action Plan, MAP)の作成・実施を行います。インプットの部分はBIPROGYの社外取締役でもある大崎麻子さんをはじめ、ジェンダー分野の専門家、実務家の方々から、さまざまな角度で学ぶことができます。
また、学びにとどまらず、受講者自身が課題だと思うジェンダー課題の解決に向けてMAPを作成・実行します。MAP作成は受講者が一人で取り組むのではなく、メンターのサポートを受けながら進めていきます。
ジェンカレでは、ジェンダー平等の実現にはユースの参画とエンパワーメントが重要だと考えているので、主に若者向けにプログラムを実施していますが、同時に大人や企業の方などさまざま人々にも、ジェンダーに関する知識を届けて、共にジェンダー平等の実現を目指したいという思いがあります。ジェンカレの講義は、年齢や性別、居住地域に関係なく、どなたでもご参加いただけます。ジェンカレのプログラムは、トップランナーから学び、同世代の仲間と出会い、課題解決能力を磨き、自らアクションを起こす方法を身につけ、自信を持って一歩踏みだせるように設計されています。
特に、すぐに行動を起こせるようなタイプの人ではなく、課題を抱えているものの、どうアクションを起こせば良いか分からない方々にも、自信を持って一歩踏み出してもらえるようなプログラムとなっています。このプログラムをさらに発展させ、今後は、地域のジェンダー課題の解決に向けた「ジェンカレ for Local」や1日でジェンダーやその解決方法を学べる「1dayジェンカレ」、企業とユースの対話を通じて、企業におけるジェンダー課題の解決を目指す「企業版ジェンカレ」など、幅広く展開していく予定です。より多様な人々がジェンダー課題に関わり、具体的な行動を起こせるようサポートしていきたいと考えています。
若者の声を届ける挑戦
現在日々活動されている中で特に解決が求められているなと感じる、具体的な課題であればお聞かせください
- 櫻井さん
ありすぎてとても難しいです笑
- 新井さん
ジェンダーギャップ指数のランキングを見たときに日本は政治と経済での遅れが特に指摘されていますが、やはりそこですよね。日本という国の構造上、政治と経済におけるジェンダーギャップが解決されない限りは、我慢している人たちがたくさんいるという状況はなかなか解消しないのかなと思っています。
先日、GENCOURAGEで就活生向けのイベントをさせて頂いたのですが、その中の学生さんのコメントで印象深かったのが「最終面接になっていくほどにおじさんばかりが面接で出てくる」と。それに対して違和感を持っている経営者の方もまだまだ少ないのでは無いかと考えると、世代間のギャップも大きいし、私たちがやっていくべきことはたくさんあるなと思っています。
marbleMeとの共通点
marbleMeについてご共感頂いた部分がありましたらお聞かせ頂けますか
- 引本さん
同じ課題認識を持っている方たちとコミュニティで課題を共有できる、またその解決策をみんなで選べるというのはとても良いと思いました。少しセンシティブな課題に対して、解決するには話し合いや議論をしたり、専門家の方を呼んでインプットを受けるというようなところはジェンカレと共通だと感じました。
- 新井さん
働く世代の健康課題は男性よりも女性の方が多いというデータもありますよね。私自身も出産後、体調の変化を感じたりすることもありました。なかなか会社では話しづらいという方にとって、デジタルなサードプレイスはとてもありがたいと感じるのではと思いました。
- 櫻井さん
SRHR(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の概念が日本ではまだ十分に浸透していないため、ジェンダーや女性の健康に関する課題が多く残っていると感じます。
自分の身体のことを自分で決め、守ることが重要ですが、それが実現できていない現状があります。例えば、女性特有の体調不良や、男性に特有の泌尿器科関連の不調を感じたときすぐに病院に行けるのが理想ですが、さまざまな理由でそれが難しい方もいると思います。そんな時に、まずは不安を相談できる誰かがそばにいることや正しい情報を得られることが必要です。ジェンカレも、本当は「こうしたいけど、方法が分からない」「仲間がいない」「自信がない」といった思いを抱える人たちが集まり、正しい情報を共有し、連帯できる場です。その点で、marbleMeと共通点があると感じています。
未来への期待と展望
最後にmarbleMeに今後期待することなどありましたらお聞かせいただければと思います。
- 新井さん
今のmarbleMeのユーザーは「働く世代」の方だと思うのですが、体のことは若い世代向けの情報発信もすごく大事だなと考えているので、ぜひ「若い世代」への情報発信もmarbleMeの中で生まれると嬉しいなと思っています。
- 引本さん
marbleMeのサービスはすごく共感することが多いです。たくさんの企業・従業員の方に使ってもらって、そこが入口となって従業員の皆さん自身にとってのジェンダー課題を自分ごと化するきっかけになれば良いなと考えています。まずは認識するというフェーズをmarbleMeで与えていただくことを期待しています。marbleMeで種まきをすることで次の行動を起こすきっかけになるのではと考えています。
また、企業を越えた繋がりというのもmarbleMeの強みだと思っていますので、企業を越えた連携などが生まれるとすごく面白いことになるかと思います。