「話すこと」で解決の糸口が見つかることがある-株式会社ニイラ 和賀未青さん

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株式会社ニイラ

話すことは、身体から離すこと」を大切に、オンラインまたは対面での相談サービス【HUG】、対話を通じて働く人の心をケアする企業や組織向けのサービス【福利厚生としてのHUG】、【インフルエンサーのためのメンタルヘルス】の3つのサービスを展開している。

  • 代表取締役 精神保健福祉士
    和賀 未青

コラボレーターの想いでは、marbleMeのビジョンに共感し、わたしたちと一緒にmarbleMeを作り上げてくださるみなさんをご紹介します。第1回目は、株式会社ニイラ代表取締役の和賀未青さん。ソーシャルワーカーとして、長年「話すこと」によって課題を抱える人を解決へと導く支援をされており、marbleMeではオンライン相談を通じて、ユーザーのみなさんの心の声に寄り添います。marbleMeへの想いや「話すこと」の重要性についてお聞きする中で、「対話」を通じて課題の解決を目指すmarbleMeと想いの重なりを感じました。

助けを求めにくい人たちもアクセスしやすいmarbleMe

marbleMeに参画したいと感じた理由を教えてください。

  • 和賀さん

    病院に行く前のアプローチができるといった点が、心に刺さったからです。これまでの医療現場やニイラでの活動を通じて、セルフケアへの取り組みを大事にしたいという思いがあったのですが、それをサービスとして体現することへの難しさを感じていました。でも、今回声をかけてもらって、自分が取り組みの一翼になれるならば、ぜひ協力したいと思いました。悩みと医療とのマッチングサービスは世の中にありますが、働いている人たちがいきなり病院に行くことへのハードルの高さを感じています。精神科医療機関に長く勤めていた時も「病院に来るまでが長かった」と言われる患者さんが多くいらっしゃいました。その背景には、「這ってでも仕事しなさい」といった会社風土もあるかと思います。助けを求めにくい人たちがいるからこそ、marbleMeのようなサービスが、職場の福利厚生として用意されていることは良いことだと思いました。

「なんでもない」かどうかは、話してみないとわからない

和賀さんが提供しているHUGでは「話すことは、身体から離すこと」というキャッチコピーを掲げられていますが、このコピーを考えた背景を教えてください。

  • 和賀さん

    話すことで、自分の中にたまっていた想いとさよならできる、そういう意味で「離す」という表現を使っています。一度話してしまえば、次から話しやすくなることもありますし、ネガティブなことを話さないと、自分の中にネガティブなものが蓄積していってしまいます。自分ではなんでもないことだと思っていたことが、すごく重要なことだということもあるので、なんでもないかどうかは、話してみないとわかりません。例えば、いつもより重い生理が続いている、といったことを我慢して、病気のサインを見逃している可能性があるかもしれません。私も自分の身体にどこか悪いところがあるとは思いたくないので、「仕事が忙しかったから」とか「寝不足だから」という風に思いたい気持ちも理解できます。でも、そのことをポロッと人に話したら「病院に行った方がいいんじゃない?」と言ってもらえるかもしれないですよね。大したことではない、と自分の中だけで完結させない方がいいかな、と思います。

自分の中で悩みを小さく捉えてしまうことには身に覚えがあります。

  • 和賀さん

    私も、この仕事をしているからといって、自分の力で全てのことを解決できるわけではなく、人に話さないと解決しないことは多いです。だからこそ、話すことは、誰しもにとって必要なことだと思っています。その相手が専門家でなくても良いと思いますが、その時の気分や相談内容によって選べるように、相談相手の選択肢は1つではなく、多い方がいいと思います。marbleMeは、幅広いジャンルの相談先がありますし、その選択肢が多いと感じています。

  • 和賀さん

    私は、身体と心はセットだと思っています。表裏一体で、どちらが上か下かということのない、パートナー同士だと考えています。例えば、職場において「今日の○○さんは元気そうだな」もしくは「調子悪そうだな」と感じた時、人は、表情や動きのぎこちなさといった身体の情報を結構見ています。なので、その人が発する言葉以外にも、一つの大事な情報として、五感や雰囲気をキャッチすることができたら、それこそ不調の予防につながるのではないかと思います。しかし現状は、人間関係の希薄さや多忙が影響して、そういった周りの変化に十分に目を配れていないと感じます。「そういえば、あの時様子がおかしかったかもしれない」と後から気づくことはできても、その瞬間にキャッチすることができない背景には、身体と心を分けて考える傾向があるのではないかと思っています。

marbleMeが、働く人も会社もハッピーに

marbleMeに今後どのようなことを期待しますか。

  • 和賀さん

    marbleMeがこれから大きなプラットフォームになっていっても、基本的には、最初に言っていたセルフケアの観点が持続していくことが大事で、その効果は大きいと思っています。健康的に楽しく働ける人は多い方がいいと考えていますし、セルフケアの観点は健康に寄与することができるので、働く人にとっても会社にとっても、結果的にメリットをもたらすのではないでしょうか。

marbleMeを利用した方にどのような変化を期待しますか。

  • 和賀さん

    幸せに生きていく、ということを、腹落ちしてもらえるといいと思っています。働く上で「そのままでいいよ」と言われる機会は少ないかもしれません。でも、marbleMeを使っている時は、ありのままの自分でゆるくいられる。それでいて、ノージャッジでちゃんと話を聞いてもらえる。そういった空間が、使った人にとっての癒しになるのではないでしょうか。「企業のオアシス」的な存在と言えるかもしれません。ちょっとイライラしていた人の気がふっとゆるむように、穏やかな気持ちを維持できる効果が、marbleMeにはある気がします。